瀉血(しゃけつ)というのは、病気を治す為に身体に溜まった有害物を排除しようと、血を抜くという治療法です。中世、近世のヨーロッパやアメリカで盛んに行われました。
医学的知識が乏しかった当時、どんな病気であっても「身体から膿(うみ)を出すように、血を出せば治る!」と思う医者が多かったようで、熱や下痢など、なんでもかんでも瀉血を施したそうです。発祥はギリシアからとされており、怪我や打撲、骨折の部分を切開し炎症をなおしたり、頭痛が起こるとこめかみを切開して痛みを軽減させようとしました。衛生的にも不十分であったため、感染症を引き起こしたり、瀉血のしすぎで患者を弱らせ、絶命させる原因になったりしたそうです。
一部の治療法には有益ですが、「瀉血をしたら病気が治る」という医学的な根拠はまったくありません。それでも当時の人々は瀉血を信じ、病気を治そうと医者に血を抜いてもらいに行っていたのです。
では、瀉血に関する絵画12点をご覧ください。